「柴三郎プログラム」キックオフシンポジウム、盛況に終了しました

2012-10-05

平成24年10月4日(木)、「熊本発 基礎研究医養成」として採択された本プログラムについて、国民の皆様に広く知って頂くために、今回の講演会を開催致しました。またプログラム名の由来でもある、北里柴三郎博士について、医学研究にひたむきに邁進して来られた様子などを、北里研究所相談役の北里一郎先生よりご講演を賜り、盛会に終了いたしました。

まず、原田信志(熊本大学副学長)より、「このような名前を命名したことは誠に素晴らしく、本学と柴三郎先生との関わりを鑑みれば、まことにふさわしいネーミングである。」との開会の挨拶がありました。

次に、竹屋元裕(医学教育部長)より、「基礎研究医の不足や今後の医学教育への不安」を述べ、このたびの採択は九州で唯一であることについて、紹介しました。

このあと、富澤一仁(柴三郎プログラム運営委員)より、本プログラムの申請を行うにあたる経緯、ならびにプログラムの内容について紹介しました。

医学論文数が2007年より減少傾向であり、医学部定員増や研修現場が自由に選べるようになったことによる「医療の崩壊」は改善されつつあるが、「医学の崩壊」の懸念があるということ。また、文部科学省もこのことについては問題視しており、今年度「医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成」事業を募集したこと。同事業に採択された「柴三郎プログラム」では、その内容は、学部3年生から学部6年生まで引き続き基礎研究を行い、博士課程進学においても1年次より卒後臨床研修を受けることができるということ。また、それらの研究を高校生の時からシームレスに経験することができるということなど、医学研究を志したい者にとっては、とてもメリットのある内容となっている、ということでした。

次に、文部科学省より、高本偉碩技術参与をお招きし、医学・医療教育の現状とこの度のプログラム採択における経緯について、ご紹介がございました。「本プログラムは、日本の医療教育における現状・課題に則した内容となっており、全国の大学で採択された中でも高い評価を得ています。」とのお言葉を頂戴いたしました。とても、ありがたいことです。また、「女性研究医の養成」についても力をいれるという内容が含まれていたことについても、高く評価されたとのことでした。

次に、今回の特別講演となる、北里研究所相談役の北里一郎先生による講演が開催されました。北里先生は、北里柴三郎博士の孫として現在も医学研究に携わっておられます。今回は、その博士の終始一貫した生涯について、ご講演を賜りましたので、一部ご紹介いたします。

北里博士は、熊本大学の前身である「熊本医学校」に入学し、その後は東京医学校に入学。マンスフェルト先生の師事により、自分も将来は海外へ留学して細菌学の研究に従事したいと考えました。そのために内務省へ入庁し、念願のヨーロッパへ留学。そこで、病原微生物学研究の第一人者であったローベルト・コッホの師事により研究に励まれました。帰国し半年後、伝染病研究所に従事。生涯にわたって、予防医学の先駆者として牽引しておられました、という内容でした。一郎先生を始めて拝見したのですが、驚くほど柴三郎先生と似ていらっしゃいまして、まずそれに感激致しました。また、とても気さくな人柄で、楽しくお話して頂きまして、とても楽しいひとときを過ごすことができました。

最後に、柴三郎先生の生まれ育った小国町より北里耕亮小国町長をお迎えし、北里先生の生い立ちならびに北里記念館についての紹介を賜りました。小国町では生家の一部、北里文庫や貴賓館が現存しているということで、柴三郎博士についてもっと身近に感じで欲しいという内容でご紹介がございました。

今回のシンポジウムを通じ、「柴三郎プログラム」につきまして、皆様に広く・わかりやすく周知できたのではないかと思っております。小学生からご年配の方まで、たくさんの方々にお越しいただき、今回のシンポジウムが無事、開催できましたことを関係者の皆様を代表して御礼申し上げます。皆様のご協力、本当にありがとうございました。

 

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